映画・ドラマ・テレビ

ホラーな食卓:『ハウンター』のミートローフ

ページ内にアフィリエイト広告を含みます

ホラー映画の印象的な食事シーンを参考に、実際に料理を作ってみようという企画。記念すべき初回は、『ハウンター』に登場する一皿です。

「ホラー」に「食」とくると、スプラッターやゾンビ映画などのグロテスクなシーンを連想するでしょうか? けれど、食は人間が生きていく上で欠かせない営みです。当たり前のことながら、ホラー映画にもいたって普通の食事シーンは登場します。そして、それは時に重要な意味を持っていることも。

「食」という視点から美味しく味わうホラー映画の世界、早速はじめていきましょう。

ホラーな食卓:『ハウンター』のミートローフ

●『ハウンター』ってどんな映画?

ストーリー

霧の深いある朝、リサは奇妙なことに気づく。朝から昨日と同じ事の繰り返しなのだ。トランシーバーから響く弟のモーニングコール、母の作る食事のメニューに、調子の悪い洗濯機。そしてガレージで車を修理する父。何から何まで昨日と同じなのだ。そして彼女は、自分が16歳の誕生日の前日を毎日繰り返し過ごしていることに気が付く。しかし、庭の外に出ようにも、なぜか外に出られない。一体何が起きているのか?彼女が家中を調べ始めると、その家に住む“もう一人の少女”の存在に気が付き、ある驚愕の真実にたどり着く。しかしそれは、少女の孤独な戦いの始まりに過ぎなかった…

引用:

https://klockworx.com/bluraydvd/p-100487/

斬新なビジュアルで話題となった『キューブ』や、ドラマシリーズ『ハンニバル』のディレクター陣にも名を連ねる、ヴィンチェンゾ・ナタリ監督作品。タイムループのエッセンスも加わった、2013年製作のサスペンスホラーです。

あわせて読みたい
ハウンター|ネタバレなしで小ネタ満載!ホラー特化の映画情報

続きを見る

●同じ毎日の繰り返しを印象づける食事シーン

参照:

https://klockworx.com/bluraydvd/p-100487/

物語の中で、「繰り返される同じ毎日」を強く印象づけていた食事のメニュー。朝食にはパンケーキ、昼食には赤いキャセロールに入ったマカロニチーズ、そして夕食のメニューとして登場するのが、今回調理するミートローフです。いずれもアメリカの家庭でよく作られる料理で、テーブルウェアのデザインなども相まって、80年代の典型的なアメリカ家庭という雰囲気を演出していました。

本作はいわゆるタイムループものではありますが、よくあるそれと少し違うのが、物語の序盤から主人公のリサがループの中に閉じ込められていることに気付いている点。さらに、自室にデヴィッド・ボウイやザ・スミスなどのポスターを貼り、バンドTシャツに身を包んでいるように、サブカル的な気質のあるゴス少女として描かれていたのにも明確な意図を感じます。

彼女が80年代アメリカにおけるティーンエイジャーのメインストリームからは外れたキャラクターだということを考えると、「典型的」な家庭料理を食べ、ごく「一般的」な趣味であるドラマ鑑賞やボードゲームで過ごす同じ毎日に、よりうんざりしているであろうことが伝わってきます。

●アメリカのお袋の味、ミートローフとは?

アメリカンミートローフ

作中の食卓風景に繰り返し登場する「ミートローフ(Meatloaf)」は、ドイツやイタリアなどヨーロッパ諸国からの移民がアメリカに持ち込んだとされる料理。挽き肉を焼き型などに詰め、「塊(loaf)」の状態で焼き上げるため、ミートローフの名前で呼ばれます。

ルーツとなる国によって中に加わる具や味付けのバリエーションはさまざまなものの、日本で言う肉じゃがのような家庭料理です。主人公はうんざりしていましたが、本来は育ち盛りの子どもなら大好きなはずのボリュームたっぷりのメニュー。昔懐かしいおふくろの味といったところですね。

●レシピを参考に「典型的」なミートローフを作ってみよう

アメリカはもちろん、日本でも子どもたちに人気のある料理ですから、検索するとレシピはたくさん出てきます。

ミートローフの基本的な作り方については、今回上のレシピを基本に。ケチャップベースのソースがたっぷりかかった、「いかにも典型的アメリカ」なミートローフを目指します。

ミートローフ基本材料

まずは基本の材料から。と〜っても雑に言ってしまえば、合い挽き肉と牛乳に浸したパン粉があればミートローフは作れます。ただし、今回目指すのは、育ち盛りの子どもがいるアメリカのお母さんの手料理風。

どこの国でもお母さんは子どもに野菜を食べさせたいもの……。味も良くなることですし、ここにも炒めて粗熱を取った、にんじんと玉ねぎのみじん切りをプラスしておきましょう。

ハーブとパプリカ

トラディショナルなミートローフに近づけるべく、味付け用のハーブについては米国のレシピでよく見かける、バジルやオレガノ、パセリなどをミックスしたイタリアンシーズニングを加えます。

さらに作中で、「パプリカ入りでいつもより美味しかった」といった会話を主人公の両親がしているため、パプリカもひとつまみ。

イタリアンハーブミックス

イタリアンシーズニングについては、典型的に使われるバジル・マジョラム・オレガノ・パセリ・タイム・ローズマリーの6種類を採用。

既製品は便利ですが、案内人は問屋さんで購入したドライハーブを混ぜ、すり鉢でゴリゴリして使っています。すり立てならドライでも香りがいいですよ。

全卵入り

材料が揃ったら、さっそく調理開始です。ボウルに挽き肉とパン粉、全卵を入れ、塩を加えてこねて……

ハーブと野菜入り

粘りが出てきたら炒めておいた野菜とハーブ類を加え、全体がよく混ざるように

ミートローフ詰めはじめ

こね上がったら、ケーキ型やホーローの保存容器などに詰めていきます。隙間ができないように少しずつ、きっちりと。

ミートローフ詰め終わり

詰め終わり。最後に型を持ってトントンと下に落とすようにして空気を抜くのもお忘れなく。

あとは230℃程に予熱したオーブンで30〜40分ほど焼くだけ。ここまで来ればオーブン任せなので、完成したも同然です(焼き上げに失敗しなければ!)。

ミートローフソース

オーブンが頑張っている間にソースを準備。ケチャップとウスターソース、それにラム酒を加えて鍋を火にかけ、攪拌して作ります。

参考にしたレシピではソースをグレーズド(コーティング)した状態で焼き上げるため、ブランデーのアルコールは飛ばさず使っていました。でも、やはりソースは後からたっぷりリッチにかけたい……! 案内人と同じくたっぷりソース派の方は、鍋に火をかけ粛々とソースを作りましょう。

風味づけのお酒については赤ワインやポートワイン、ブランデーが使われることもありますが、あるもので代用して問題なし。もちろんお酒の種類によるものの、酸があまり含まれない蒸留酒系ならミートローフに合うものが多そうです。

完成ミートローフ

焼き上がったら肉汁が落ち着くまで待ち、切り分ければ完成。映画にならってサニーレタスとミニトマトのサラダを添え、ソースをかけていただきます。

仕上がりは大変ジューシー。ハーブで深い旨味が引き出された柔らかな肉と、リッチなソースで満足感があります。ただし主人公のリサはタイムループしているため、このボリューミーな夕食を繰り返し食べている訳ですね。

朝もシロップたっぷりのパンケーキを食べ、昼食には濃厚なマカロニチーズ。食べ慣れた美味しいお母さんの味だからこそ、うんざりする気持ちに拍車がかかっていたに違いありません。

まとめ

アメリカの典型的な家庭料理を登場させることにより、ループする毎日が強く印象づけられていた『ハウンター』。

今回は料理にスポットを当てていますが、登場する小物やインテリアなどにも目を凝らせば、隠された演出の意図が見つかることも。作品世界をより深く堪能できます。

いつもと少し違う視点で楽しむホラーの世界。さあ、次はどんな作品を味わいましょうか。

なおハウンターを見るなら、以下の配信サービスがおすすめ。

お試し期間を使えば無料視聴もできるので、まだ登録したことがないなら要チェックです。

※本ページの情報は2021年5月時点のものです。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。

  • この記事を書いた人

宵闇

スリラー・サスペンス映画も含めた、広い意味でのホラーコンテンツをこよなく愛する案内人。このブログではトリビアなどの周辺情報を深掘ったり、ホラー映画に登場する料理を再現したりしてマニアックにご紹介していきます。

-映画・ドラマ・テレビ