ホラーな食卓|『サイコ』ベイツ・モーテルの簡素なサンドウィッチ
●『サイコ』ってどんな映画?
内容紹介
アルフレッド・ヒッチコック監督による画期的なホラー映画の傑作!アンソニー・パーキンスとジャネット・リーが出演。ひっそりしたモーテルで起きる殺人事件。謎の犯人の正体は?
引用:https://www.amazon.co.jp/dp/B09675WP6S
言わずと知れたサイコサスペンスの巨匠、アルフレッド・ヒッチコックによる1960年製作のモノクロ映画。
センセーショナルな暴力描写や革新的な演出で当時の映画界に衝撃をもたらした本作は、今なお古さを感じさせません。
この時代はすでにカラー映像が一般的でしたが、あえてカラーではなく白黒で撮られているのも特徴的。
色数を絞った画面に、悲鳴やサイレンのようにも聞こえる弦楽器主体の音楽が加わって緊張感を高めています。
ホラー・スリラー好きなら一度は観ておきたい名作中の名作ですね。
●ヒロインのマリオンが食べる簡素すぎるサンドウィッチ
今回再現するのはヒロインのマリオンが劇中で訪れる「ベイツ・モーテル」の主人、ノーマン・ベイツが作るサンドウィッチ。
「サンドウィッチとミルクくらいしかないけれど、夕食を一緒にどうか」と誘いを受けて食べることになる食事なんですが、画面を見る限りノーマンのサンドウィッチとやらは、サンドウィッチと呼べないくらい簡素。
該当のシーンで彼が運んできたトレイの上にあるのはミルクのほか薄切りのパンが数枚と、四角い謎の何か(映画のスクリプト※1によるとハムだそう)が載ったお皿くらいです。
鑑賞した当時、案内人は思いました。サンドウィッチ……? どこ……?
ちなみに、劇中ではここまでの流れで彼が心を病んだ母親と一緒に暮らしているという話が出てきます。
これが「カルテスエッセン※2」の習慣があるドイツとかであれば不思議でもありませんが、本作の舞台はアメリカ。
心を病んで偏屈になっているとはいえ、家族と住んでいる人の食事としてはちょっと違和感あるような……?
でもこの簡素すぎる献立も、後のシーンを見ると妙に腑に落ちるところがあるなあと。意図された演出なのかは不明ですが、伏線としても面白いなと思います。
※1:参考:https://imsdb.com/scripts/Psycho.html
※2:切っただけのパンやハム、チーズなどの火を使わない料理で済ませるドイツの夕食スタイルの一つ
ベイツモーテルでの簡素な夜食を再現してみよう
さてさて、今回はとてもシンプル。
サンドウィッチの他はピッチャーに入れたミルクだけです。
- 自家製粗挽きマスタードを使ったハムとチーズのサンドウィッチ
- ピッチャーに入ったミルク
流行らないモーテルで出される食事なので、使う食パンやハム・チーズも特別なものでないのがむしろ正解な感じです。
ただ映画を見ると分かりますが、ノーマンは特定のことに強い執着心を持っている人物。
なので一癖加えるため、サンドウィッチに使うマスタードだけは少しこだわって手作りしてみました。
自分で作ったマスタードなら辛みを抑えられるので、バターにたっぷり混ぜ込めばぷちぷちとした食感を楽しめますよ。
●スパイスから作る粗挽きマスタード
作り方
- 小鉢などにマスタードシードと浸るくらいの水を入れ、1時間ほど置く
- すり鉢に1を入れ、粒感がほどよく残るよう粗めに潰す
- 2に酢・はちみつ・塩を入れて混ぜる
- 1日ほど置いて味がなじんだら出来上がり
●ハムとチーズのサンドウィッチ
作り方
- パンはあらかじめトーストしておく
- バターを室温に戻し、マスタードを混ぜてからしバターを作る
- 2をパンに塗り、チーズ・ハムを適当に置いてサンドする
- トレイにサンドウィッチとミルクをのせ、身に迫る悲劇を知らないヒロインのような顔つきで召し上がれ
『サイコ』食後のヒトコト
『サイコ』についてはオリジナル版のほか、1983年〜1990年には続編も製作されています。
このうち、特に83年に作られた『サイコ2』は多くのファンも認める出来の良さとのこと。
本作の後ノーマンがどうなったかを知ることができるので、気になったら続けて鑑賞してみるのも面白いかも知れません。
※本ページの情報は2021年8月時点のものです。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。